四百年続く、平和への祈り。久能山東照宮

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令和6年 1月 1日

令和甲辰歳を迎えて

 新年あけましておめでとうございます。

 

 令和六年の新春を迎え謹んで聖寿の萬歳、皇室の弥栄と併せて崇敬者各位のご健勝とご多幸をお祈り申し上げます。

 

 令和二年一月十六日に日本国内で感染者が初めて確認され猛威を振るった新型コロナウィルス感染症でしたが、令和五年五月八日から感染症法上の位置づけが「五類感染症」に移行され、これまで法律に基づき行政が様々な要請・関与していく仕組みから、個人の選択を尊重し、国民の自主的な取り組みをベースとした対応に変わりました。

 

 令和五年のNHKの大河ドラマは、「嵐」のメンバー松本潤氏が主演で第六十二作目となる「どうする家康」でした。多くの大河ドラマに登場してきた徳川家康公ですが、単独で主役になったのは四十年ぶりで昭和五十八年の「徳川家康」以来となりました。

 

 久能山東照宮の鎮座する静岡市は、德川家康公が少年の人質時代と晩年の大御所時代の二十余年を過ごされた土地であります。大河ドラマを通じて、日本の国の平和と国民の安寧を願われ、平和の神様として当宮に祀られた徳川家康公の偉大さと御神威を多くの人に認識いただけたことと存じます。また、今日のような複雑な社会情勢にあるとき、改めて德川家康公の平和への理念と政治・経済の優れた手腕をこの機会に学ぶことができたのではないかと思われます。

 

 新型コロナウィルス感染症の五類移行、「どうする家康」の放映、両様相俟って当宮に多くの方々に参拝いただきました。大変ありがたいことと存じます。

 

 当宮には德川将軍家ゆかりの刀剣が多く伝来しています。元和二年家康公の薨去後により納められた、公遺愛の指料や鑓、薙刀。徳川将軍家が代替や東照宮の正遷宮に代参を遣わして献じた糸巻太刀。また、将軍参詣の折の寄進や幕臣・崇敬者の奉納になる刀剣もあり、総数五十口を数えますがこのうち一口が国宝に、十三口が重要文化財に指定されています。

 

 中でも、家康公の晩年の愛刀であった三池典太の太刀は家康公の遺言により御神体同様に見做されて御本殿の奥深くに安置し、守り続けてきた由緒から近年まで門外不出とされていたものです。また、国宝に指定された古備前真恒の太刀は、刀剣界の東の横綱と称されるほど豪壮にして美しく、しかも完好の作であるその姿を今日に伝えています。この三池と真恒の太刀は当宮刀剣の双璧であり、数ある名刀の中でも一際柚んでた傑作です。

 

 本年、当宮の所蔵する刀剣の保全を目的とするクラウドファンディングを、株式会社パルコの全面協力を得て、行うことを予定いたしております。皆様には別の形でご案内いたしますが、貴重な文化財とその技術を後世に伝える為、数多くの皆さんのご支援をお願い申し上げる次第であります。

 

 本年も皆様の元気なお姿を国宝社殿ご社頭にて拝することができますことを楽しみにしております。

 

久能山東照宮 宮司 姫岡恭彦

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