お知らせ
令和5年
12月 1日
資料修復・復元事業について
久能山東照宮博物館では、令和6年度より順次、歴代将軍が寄進した刀剣を保護する白鞘の新調を行います。
白鞘は別名休め鞘とも言われ、刀身を保存する為に使用するものです。久能山東照宮に伝わる刀剣の多くは将軍家からの寄進によるもので、その殆どが安政5年(1858)に研ぎが行われ、白鞘が作られています。作成から160年以上の年月が経っている為、本来の役割である刀身の保護が難しくなっているものがあり、この度、国宝・重要文化財に指定されている14口の刀剣の白鞘を5ヶ年かけて新調する事になりました。
また、2代将軍秀忠公寄進の国宝 太刀 銘真恒に附属する桐紋糸巻太刀拵は、奉納から400年が経過しており、主に糸巻部分の劣化が激しく、近年は展示すらままならない状態になっております。江戸時代初期の作であり、製作年代が分かっている貴重な太刀拵である為、直ぐに修復を行う事は難しく、将来的に修復を行う為には、現代の技術で当時の技術の再現が可能かどうかを検証する必要があるという事になりました。そこでこちらも令和6年度より、桐紋糸巻太刀拵の復元模造を作成する事業を開始する事となりました。見た目だけでなく、材料から製作当時のものと出来る限り同じものを使用し、奉納当時の姿を現代に蘇らせるという、当館としても初めての試みです。
それを記念し、令和5年12月26日より、白鞘が修復対象にあたる家康公所用の重要文化財 太刀 無銘光世作(ソハヤノツルキ)の展示を行う他、無銘光世作の白鞘や、復元模造を製作する予定の桐紋糸巻太刀拵も特別に展示致します。この機会にぜひ足をお運びください。
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